太陽エネルギーの屋根の下にある生命力 晁陽はグリーンエネルギーで農業に飛躍をもたらす
雲林県麥寮と言えば、一般の方が直接連想するのは台湾プラスチックの六軽工場でしょう。工業の進出により地域の発展と就業機会がもたらされ、現在麥寮は雲林県で第3位の人口の多い行政区となっています。またここは古くから「風頭水尾(海風が吹き付け台風の襲来を受け、河川が海へと出る場所でよく氾濫することを指す)」の沿岸地帯です。農業におけるパフォーマンスはあまり突出してはいませんが、近年グリーンエネルギー産業が参入し始めた後、状況に変化が現れました。なかでも晁陽農産科技公司は麥寮に敷地面積6.7ヘクタールのグリーンレジャー農場を創り出しました。太陽エネルギーの屋根の下に野菜を植え、加工品を製作しています。さらに一般の人々向けの体験も開放している、アジア初のグリーンエネルギー、農業、健康と飲食、生態の復活と育成を結合した太陽エネルギー農場となっています。
政府は近年“非核の家”を推進し、グリーンエネルギーの発展を重要な要としています。晁陽もこの流れに乗り「農業と電気の共生」を発展させています。しかし「電気を生産する」ことより「畑で栽培する」ことを重要と見なす業者とは異なり、晁陽は真剣に取り組んでいます。経営のコアを「グリーンエネルギーで農業を養う」ことに置き、安心できる毒性フリーの農業を創り出せるよう願っているのです。
晁陽の代表取締役である邱信富さんは台南新化の農家出身です。外の場所で努力を重ね、金融や証券業界に20年以上従事して来ました。大企業から資金を募り、会社を上場する手助けなどを行っていました。広い見識を持つ邱信富さんは、社会にとって最も重要なのはやはり農業であると考えています。退職後はじめて友人たちを投資に招聘し、最後には自ら飛び込んだのです。
光電棚で復活し育成されたコオロギをペットに 将来的な糧食はコオロギにかかっている
晁陽グリーンエネルギーパークは麥寮にあるレジャー農園として「エネルギー教育」、「環境教育」、「食農教育」と「高齢者教育」を融合しています。レジャー農業の部分にはグリーンエネルギー館、水生植物館、コオロギ文化館、DIY教室が含まれ、バーベキュー、キャンプ、宿泊なども楽しめます。もちろん農業体験も欠かすことはできません。実際に畑で野菜を植えて収穫してはじめて、地産地消の過程で、どれほどの人が労力と心血を注いでいるのかを感じることができるのです。
邱信富さんは農業体験と安心できる商品を通してはじめて、食農教育と環境教育の理念を具体的に表現できると考えています。訪問した観光客は簡単に観察するだけでなく、自ら体験して晁陽の心配りを感じてくれるよう、さらに一歩進んで台湾の優れた農産物を認めることで、より多くの消費者からの支持が得られるよう希望しています。農業の価値が向上した後には、より多くの若い農家が参入し、ともに台湾の農業を覆せるよう願っています。
フタホシコオロギの復活育成は晁陽グリーンエネルギーパークの特色の1つです。高たんぱくで養殖時の炭素排出量は家畜類よりはるかに低く、国連食糧農業機関(FAO)によって強く推進されています。飼料として使えるだけでなく、食糧危機が発生した際には人類の代替用の食源とすることができます。しかし近年は農薬、殺虫剤の過度の使用により田畑でもコオロギがあまり見られなくなりました。
邱信富さんは故郷の台南新化がちょうど闘蟋(コオロギを戦わせる昆虫賭博)の起源となる場所であることから、コオロギ文化館を設立しました。故郷のコオロギの達人を招聘し、コオロギの繁殖技術の指導を受けました。光電の大きな棚の下で飼育されるコオロギは加工してクッキーにしたり、訪問した人々はペットとして持ち帰ることもできたりと話題性に富んでいます。